東京から100km圏内にありながらJR東日本の赤字ローカル線となってしまっている久留里線。以前に乗車したのはもう四半世紀以上前のことになります。久しぶりに乗車する久留里線はどうなっているのか、沿線の観光を兼ねて久しぶりの久留里線の旅の始まりです。
木更津は完全に車社会
木更津は東京からの直通快速も通っている駅ではありますが、東京湾アクアラインの千葉側の起点になっていて、東京からの移動は車ないしバスが完全に主流となりました。今回は往路はJR路線、帰路はアクアライン経由のバス利用にしましたが、時間はバスが圧倒的に早く、帰路のバスは満席でした。一方の鉄道は、千葉から木更津へ向かう人の利用は一定数あるものの東京から列車で木更津へ向かう人はかなり少数派というのが現状のようです。そんな木更津駅から内陸部の上総亀山駅までを結んでいるのが久留里線。特に末端区間の久留里ー上総亀山間は存廃議論になっているローカル線です。

乗車した列車は木更津11時台発の久留里行き。2両編成の座席の半分くらいが埋まる感じの乗車率でした。久留里線は東京から100km圏内でありながら交通系ICを利用できない、東京から一番近い路線にもなっています。乗車する際はあらかじめ切符を用意しておきましょう。
北海道などの無人地帯を走るローカル線と違い木更津発車後は市街地を抜けていくのですが、利用者は免許を持たない学生が大半なのは、ローカル線共通の光景。のんびりと走る久留里線は木更津から45分ほどで久留里に到着です。
久留里駅
久留里線の主要駅である久留里駅は久留里線においては数少ない有人駅。木更津ー久留里間は1時間に1本は列車が走っています。


久留里観光交流センター
駅を出て右手に徒歩1分のところにある観光交流センターは、生きた水久留里酒ミュージアムとして地酒の試飲などもできる施設。観光案内所を兼ねています。まずはここに寄って情報収集をするとよいでしょう。ただし、駅も含めてここでは手荷物を預けられるところが全くありません。観光利用で久留里線を利用する人が多くない事実を表しているようでちょっと残念でした。

久留里の名水
久留里は千葉県で唯一平成の名水百選に選ばれている水の里。水の湧き出るポイントが街中にいくつか点在しています。また水の里であるということは地酒も名物ということで、酒造店もいくつかあります。






久留里城
久留里城は室町時代に真里谷武田氏によって築かれたとされています。戦国時代になると安房の里見義堯によって改修され里見氏の拠点となりました。江戸時代に一度廃城状態となりますが(久留里は飛び地管理となっていた)、黒田氏の入封によって再改修され明治維新まで維持されます。戦後城山公園として再整備され現在は復元の天守閣も建っていますが、2023年の地震によって被害が出て、その後の大雨被害による登城道はなんとか復旧したものの、天守閣復旧の予算はなかなかおりないようで、2年経過した2025年12月現在も立ち入ることのできない状態が続いています。
久留里城は居館があった三の丸の平地部分までは駅から徒歩15分前後で行くことができますが、そこから先はかなりの急坂を登って行く必要があり、前述の通り荷物を預ける場所がないので、訪問の際は手荷物扱いに注意していきましょう。

二の丸部分は現在は資料館になっていて、2025年12月現在無料で見学することができます。資料館内部は写真NGなので載せることができませんが、里見氏や黒田氏の資料などがあります。

久留里は上総掘りと呼ばれる掘削方法発祥の地で現在名水の里となっている一因はこの掘削技術によるところが大きいです。資料館の屋外展示には上総掘り用具もあります。









久留里神社
1021年に建立された歴史ある神社。


真勝寺
1540年開基のお寺で、黒田氏最後の当主の墓などがあります。





新井白石旧居
現在は碑と案内板しかありませんが、真勝寺の近くなのでついでに寄ってみても良いでしょう。

正源寺






紹介の行程で久留里をぐるりと回って3‐4時間の散策となります。久留里駅に戻って数少ない上総亀山行きの久留里線の時間に合わせて次の目的地、上総亀山へと向かいます。


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