かつて鉄道が移動の中心手段だった時代、北海道の開拓によって作られた小さな集落の最寄りには駅が設けられ、その地域の重要な移動手段として機能していました。マイカーに移動手段が移り、また地方の小さな集落は過疎化によって、昔活躍した駅は、現在ではいわゆる秘境駅へとなり、もしくは廃駅となっていっています。中でも宗谷本線はそのような駅が多数存在しています。今回は宗谷本線の秘境駅にスポットを当ててみていきましょう。
天塩川温泉駅
もとは仮乗降場として設置され、その後近くに天塩川温泉が開湯したことから現在の駅名になった駅です。天塩川温泉までは700mほどの距離ですが、この駅を利用して温泉に向かう人がどれだけいるのでしょうか・・・

天塩川温泉にはレストランがあり、黒い麵で有名な音威子府そばをいただくことができます。


佐久駅
中川町佐久地区の駅。周りには小さな集落があるので秘境駅感はあまりありませんが、駅舎がふるさと伝承館となっていて中川町を回るときに立ち寄ってみてもよい駅です。利用者は極小ながらもトイレはきれいに清掃されていて日本のトイレ事情の良さが伝わります。




天塩中川駅
天塩中川駅は、中川町の中心駅で特急列車も停車するので、秘境駅のくくりには入らない駅ですが、立派な駅舎がかつての賑わいを伝えてくれる味のある駅舎なのでここで紹介することにしました。



糠南駅
宗谷本線の秘境駅の中で現在もっとも有名な駅といえる糠南駅は、待合室が物置小屋というパンチのある秘境駅。




旧抜海駅
稚内の手前に抜海駅がありました。最北端の木造駅舎の秘境駅として知られていましたが、2025年3月に廃駅となり木造駅舎も夏に解体となっていました。


参考までに在りし日の抜海駅はこちら(フリー素材写真より)。

宗谷本線は、特に名寄以北はJR北海道が単独で維持することが困難な黄色線区に指定されていて存続が危ぶまれるところですが、今はほぼ利用されなくなってしまった秘境駅からもかつての繁栄の一端を偲ぶことができます。列車本数が少ないので列車だけで秘境駅を回ることはかなり大変ですが、車で移動の機会があるならばこうした秘境駅に立ち寄ってみるのも旅情があって良いです。
宗谷本線の主要駅ともいえる分岐駅の紹介はこちらから。


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